内海彩建築設計事務所

青空保育園・絵本のいえ

所在地
群馬県伊勢崎市
用途
保育所
建築主
社会福祉法人城東会
構造
MID研究所
設備
長谷川設備計画
照明
フォーライツ
施工
束田建設・田村建設
「青空保育園」は、伊勢崎市より定員増の要請を受け、園庭の一角に保育室を増設することとなった。しかし、園としては単なる増床ではなく、読み聞かせを通して子どもが絵本に親しむ場をつくり、保護者や隣接する介護施設の利用者との交流の場としても運営していきたいとの考えがあり、そこからプロジェクトが始まった。
園庭の中央には、開園時に植えられたケヤキの大木がある。「絵本の家」は、園庭の東側に、大木を真正面に見る形で建つ。子どもたちにも「家」のように感じてもらいたいと、シンプルな切妻屋根をかけ、園庭に面して広い縁側を設け、イベント時には、園庭との一体的な利用も考慮した。
プランは、中央に広間、北側にキッチン・カフェコーナー、南側に読み聞かせコーナーという構成である。広間で子どもたちは思い思いの姿勢で絵本を読んだり遊んだりできる。カフェコーナーはその様子を見ながら憩う交流の場、読み聞かせコーナーは子どもたちを物語世界に誘う様々な設えがこれから追加されていく予定である。
法律上、保育施設には内装制限が求められるが、「絵本のいえ」はごく小規模な建物なので規制対象外でふんだんに木材を使うことができた。そこで地元の木材をボルトで繋ぎ一体化させた屋根架構を現しにしている。梁と梁の間に挟むスペーサーの木片は、事前に子どもたちがペイントしたもので、木架構の空間に楽しい彩りを添えている。

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